抄録
先天性皮膚カンジダ症(congenital cutaneous candidiasis:CCC)は,超早産児では血流感染をきたし重症化するが,late preterm以降の児では皮膚症状のみで軽快する例があり,治療の適応や方法は議論を要する.症例は在胎34週6日,体重2, 358g,経腟分娩で出生し,軽度の呼吸障害があった.出生時より全身に紅斑性丘疹がみられたが次第に消退した.日齢3から呼吸状態は悪化し,右上肺野に浸潤影が出現した.入院時の胃液・胎脂培養と母体の頸管培養からCandida albicansを検出し真菌感染症を疑った.臍帯は肉眼的に黄白色斑がみられた.皮疹部のKOH検鏡で仮性菌糸を確認しCCCと診断した.血液・尿培養は陰性で,菌が直接肺に伝播したカンジダ肺炎と判断した.抗真菌薬全身投与後より呼吸状態は改善した.出生時に皮疹があれば真菌感染症を鑑別すること,CCCと診断されればlate preterm以降の児でも治療を考慮することが重要である.
寄稿の翻訳タイトル | A late preterm infant with pneumonia following untreated congenital cutaneous candidiasis |
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本文言語 | 日本 |
ページ(範囲) | 343-347 |
ページ数 | 5 |
ジャーナル | 日本周産期・新生児医学会雑誌 |
巻 | 57 |
号 | 2 |
DOI | |
出版ステータス | 出版済み - 2021 |