工作物の建築等の不許可処分取消請求事件（高知地判令和６年１月23日LEX/DB文献番号25597844）（第531回行政判例研究会　於名古屋大学＆リモート）

説明

原告事業者が四万十川流域における太陽光発電設備の建築等の許可申請をしたところ、四万十市長（処分行政庁）が、原告らの許可申請をいずれも不許可とする旨の処分をしたため、原告らが、被告（四万十市）に対し、本件各不許可処分の取消しを求めた事案において、処分行政庁がした判断に裁量の逸脱濫用があるとは認めることはできないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事案。再エネ発電施設の建設と景観保全との問題において、自治体が不許可（不承諾・不同意含む）等の処分を発出するようになってきており、なかでも第一審において自治体側の勝訴となった事案である。本件の争点は、本件各不許可処分の違法性であり、具体的には、本件太陽光発電施設について本件条例13条2項1号及び同項2号に定めるおそれがあるとした判断に裁量の逸脱濫用があるか（争点１）、本件太陽光発電施設について本件条例13条2項4号に定めるおそれがあるとした判断に裁量の逸脱濫用があるか（争点２）である。四万十の文化的景観を守るための条例、条例施行規則および手引きなどが詳細に規定されており、裁判所はその趣旨を汲みとったものといえる。

期間	2024/09/07
開催場所:	第531回行政判例研究会（於　名古屋大学＆リモート）