Abstract
烏頭赤石脂丸は金匱要略に「心痛徹背背痛徹心烏頭赤石脂丸主之」とある処方である。今回,本処方が有効であった3症例を経験したため報告した。症例1は53歳男性で,右前腕切断後に生じた前胸部痛に対して本処方を用いて奏効した。症例2は46歳男性で冷食後に生じた心窩部痛,症例3は28歳女性でパニック障害に伴う心窩部痛にそれぞれ本処方を用いた。いずれの症例も腹候に心下痞鞕を認めた点と裏寒の存在は本処方の使用目標の一つとなると考えられた。烏頭赤石脂丸の使用報告は少なく,適応病態は明らかではないが,高度の胸痛,腹痛の治療時には考慮すべき処方であると考える。
Translated title of the contribution | Three Cases Successfully Treated with Uzushakusekishigan |
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Original language | Japanese |
Pages (from-to) | 131-136 |
Number of pages | 6 |
Journal | 日本東洋医学雑誌 |
Volume | 71 |
Issue number | 2 |
DOIs | |
State | Published - 2020 |
Externally published | Yes |