富山県における外国人労働者を対象とした日本語教育の調査

Research output: Working paper

Abstract

本稿の目的は,企業を対象としたアンケート調査,および企業訪問調査を実施し,富山県における外国人労働者を対象とした日本語教育の実態を探ることにある。富山県下の企業を対象にアンケート調査を行った結果,(1)本調査対象の企業は,製造業の中小企業の割合が高く,外国人労働者の在留資格は技能実習の割合が高く,国籍はベトナム,中国の割合が高いこと,(2)外国人労働者が在籍する企業はほぼ半数で,日本語教育を必要とする外国人労働者は8割弱にのぼること,(3)外国人労働者の日本語レベルは初級と未習をあわせると8割強となることがわかった。これらのことから,外国人労働者への日本語教育の必要性が窺えるが,日本語教育が必要な外国人労働者が在籍する企業のうち,約6割が日本語指導を実施していないことが明らかとなった。また,企業訪問調査の結果,中小企業において外国人労働者は残業など勤務時間が長く,日本語学習の時間を確保しにくいこと,企業側も日本語指導の実施を検討しつつも,実行に移せない実態が浮かび上がった。これらのことから,外国人労働者に対して大学が貢献できることを検討した結果,日本語学習のモチベーションを高めるために,日本人大学生との会話や日本文化を体験する講座の実施などを提案した。
Original languageJapanese
Place of Publication日本
Publisher富山大学国際機構
Pages1-10
Number of pages10
Volume3
ISBN (Print)2434642X
DOIs
StatePublished - 2021/02

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