Abstract
下仁田町の白亜系跡倉層砂岩及び細萱地域の石英閃緑岩体のジルコンU-Pb-Hf 同位体分析並びに石英閃緑岩の全岩化学組成分析から,石英閃緑岩の形成年代及び帰属並びに両岩体の関係性を考察した.ジルコンU-Pb年代のYC2σは,跡倉層の南牧川沿いの大桑原砂岩部層が 114.2±1.9 Ma,宮室砂岩泥岩部層2試料が 123.7±2.1 Ma と 129.8±7.5 Ma,細萱の大桑原砂岩部層が 180±13 Ma,石英閃緑岩が 122.5±0.9 Ma となり,それぞれの堆積・貫入年代をYC2σ以降と拘束した.また,石英閃緑岩の前期白亜紀ジルコンのεHf(t)値(+3.0-+3.8)は,阿武隈帯や北上帯の前期白亜紀火成岩類の同値の範囲内に収まる.一方,石英閃緑岩の全岩K2O 量(5.26 wt.%)は,阿武隈帯や北上帯の火成岩類よりも1-4ポイント高く,斜長石の変質に起因すると解釈した.細萱地域の石英閃緑岩のYC2σは周囲の大桑原砂岩部層より有意に若いが,貫入を支持する観察事実に乏しい.跡倉層の堆積年代や接触火成岩体との関係性については,より詳細な研究を行う必要がある.
Translated title of the contribution | Geochronological study of the Atokura Formation and contact igneous rocks in Shimonita-machi, Gunma Prefecture, central Japan |
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Original language | Undefined/Unknown |
Pages | 33-53 |
Number of pages | 21 |
State | Published - 2023/03 |