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本研究を行うにあたって、近年のグローバル競争の変容の理論的考察とグローバル競争における企業の競争戦略の変化の実態調査という2つの方向で行ってきた。前者の理論的考察は、グローバル競争の本質が、コスト、品質という個別製品に内在する競争要因に加え、製品の競争優位性を持続させる要因として、子会社活用、グループネットワーク経営、購買戦略、顧客対応型マーティングなどの複合要因を追究した。特に、アジア市場においては、先進国企業の立地特殊的要因と受注情報およびアウトソーシングのネットワーク構築が、アジアアジア通貨危機以降の経済回復のポイントになると考えられる。また、後者の実態調査では、対象を日系企業に絞りアンケート調査、ヒアリング調査を進めた。アンケート調査では、アジアに進出する企業の本社381社に対しグループ経営、子会社活用などのグローバル・ラーニングについてアンケートを実施した。その結果、日本企業の中にも、子会社の経営資源を有機的に取り入れている企業もあり、また、子会社間での経営資源の共有している企業もでており、一方向的な海外展開から、双方向的、多元的な展開への変化が見られた。また、東南アジアに存立する日系子会社480社に対しては、アジア市場の経済回復とアジア市場の飽和との関係についてのアンケートを行った。時期的なこともあり、明快な因果関係を証明することはできなかったが、子会社戦略においては、先進国にある子会社と在アジアの子会社を、従来の製品別な棲み分けは異なり、機能的に棲み分け、総合的なネットワーク形成と戦略策定を行う企業が登場してきたことがわかった。このことを踏まえ、さらにアジア市場における過当競争の可能性とその回避について検討する。
Status | Finished |
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Effective start/end date | 1998/04/01 → 2000/03/31 |